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Happy Future/こと

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保護動物を取り巻く現状を知り
不幸な命を一つでも減らす

2023年に改正された「動物愛護管理法」により強化された、動物保護規制。しかし、いまだ保護団体や施設に保護動物が持ち込まれる現状は変わりません。そんな現状を多くの人に知ってもらうためのプロジェクト「HOGO HUG(ホゴハグ)」に、ベツダイも賛同しています。今回は画家であり、本プロジェクトの発起人でもある池永ともかさんと、独自に保護猫活動を行っている「ジョナサンキャット」の玉正裕子さん、ベツダイの姫野友輔でトークセッションを行いました。

池永ともか(画家)
画家として活躍する池永さんの作品は、花をモチーフとした美しい色彩が特徴。自身の飼い猫などをモデルにした「HOGO HUG」のパンフレットは、設置店舗を随時募集中。200部3000円※A4額装ポスター付き

玉正 裕子(株式会社かもめ屋)
大分市長浜にある「ジョナサンスーパーマーキャット」の4Fにて保護活動をしている 譲渡会の情報は、Instagram @cat_jonathansupermarcatでチェックできます。キャットフードの寄付もAmazonにて受付中。

姫野 友輔(株式会社ベツダイ)
自身も猫を飼っており、会社を巻き込んで活動の認知度向上に努めている。

姫野友輔(以下姫野) 池永さんと玉正さんとの関係は?

玉正裕子さん(以下玉正さん) 生後間もない子猫の哺乳と排泄のケアのボランティアを、池永さんにお願いしたのが最初の出会いです。里親募集が難航していると相談すると、里親まで申し出ていただきました。

池永ともかさん(以下池永さん) 現在保護猫を4匹飼育していますが、個人で面倒を見られる頭数には限りがあります。そこで、保護犬や保護猫のことをもっと大分の人たちに知ってもらい、里親の分母を増やしたいとの思いから、1年前に「HOGO HUG」をスタートしました。

玉正さん 新しい里親はなかなか増えず、既存の里親が飼育頭数を増やしているのが現状です。池永さんが言う通り、個人の頑張りでは限界があります。一人ひとりの問題意識が変わらない限り、不幸な命は減りません。

池永さん 本業が画家なので、得意のイラストを描くことで何かできないかと考え、保護活動のPRのためのパンフレットを制作しました。可愛らしいイラストをふんだんに盛り込み、小学生や女性が読みたくなるように心がけています。

姫野 プロジェクト名の「HOGO HUG」もキャッチ―なネーミングです。玉正さんは会社ぐるみで保護活動をされていますね。

玉正さん 本業は飲食の運営ですが、コロナ禍で客足が遠のいていた3年前に活動を開始しました。現在は自社ビルの空室を利用して、保護猫活動をしています。

池永さん 「ジョナサンスーパーマーキャット」が入居しているビルですね。

玉正さん 最初は空き部屋で面倒を見ながら、お店のSNSで里親募集をするぐらいの軽い気持ちでした。しかし何度か保護と里親募集を繰り返すうちに、世間から保護活動に取り組んでいることが認知され、いろんな方から保護依頼を受けるまでになりました。

姫野 病気の猫も数多く保護されていますよね。

玉正さん 現在の保護猫を取り巻く環境を知っていれば、病気だからといって放置できません。空き部屋を複数使用できるので助かっています。

池永さん 繁殖期には保護件数が増加するのでは?

玉正さん 今年は相談件数が多く、毎日電話を受けています。また里親募集の拡散をお願いされることも多く、個人保護主さんも参加できる譲渡会を、月に1回開催しています。

池永さん 個人保護主さんが参加できる譲渡会は珍しいですね。

玉正さん カモメ屋はNPO法人や登録団体ではないので、柔軟な対応を取ることができています。今後は、保護頭数オーバーの状況を改善して、傷病中の猫のケアに集中できる環境を整えたいと考えています。

姫野 もともと池永さんとは絵の仕事やノベルティ作成のお手伝いを依頼する間柄でした。「HOGO HUG」のことを知ったのは、私が進行役を務めているラジオ番組にゲストとして出演していただいた時です。

池永さん 画家として呼んでいただいたのに、保護猫の話ばかりして失礼しました(笑)。出演時にパンフレットの話をしたところ、ベツダイさんが印刷費の一部を請け負いますと申し出てくださって。現在はベツダイ各店舗にもパンフレットを置いていただいています。

姫野 住宅とペットは、切り離せない関係です。新居に引っ越す際、ペットの飼育を検討する家庭は多いと聞きます。弊社では新築住宅だけで年間約400棟の着工実績があり、賃貸やリフォームまで含めると約8000世帯に「HOGO HUG」の活動を周知することができます。まだまだペット可の物件は少ないのですが、空室で悩むオーナーさんにペット可物件への転換を提案することで、ペットが飼える環境を増やせると考えています。

玉正さん 活動の問題点を挙げると、費用面が一番大きいと思います。私たちのような小さな団体や個人の保護主さんは、基本的に自費で活動しています。NPO法人になれば助成金などの支援が期待できるかもしれませんが、保護活動にかかる費用を、譲渡費や寄付金だけで賄うのは難しいですね。

姫野 カモメ屋さんは、費用面をどのようにやりくりされていますか?

玉正さん 本業の売上から捻出しています。空き部屋の活用や予算の確保など、社長が保護活動に対して理解してくれているので助かっています。しかし他の団体や、個人で活動されている方は、かなり厳しい状況に置かれていると思います。

池永さん 保護猫に対し、「汚い」とか「病気を持っている」といった偏見を持っている人がまだまだ多いと感じます。そこで「HOGO HUG」を通じて、イメージを変えていくのが今後の目標です。生体販売を止めるのは難しいですが、ペットショップ以外の選択肢を提示できるように発信していくつもりです。保護猫の社会的地位を上げたいですね。

玉正さん 譲渡会に物販コーナーを併設する試みを始めました。北村直登さんをはじめとするアーティストの作品や、弊社が運営する「丸玉屋洋菓子店」の限定洋菓子、「ジョナサンスーパーマーキャット」の猫グッズなどを販売しています。物販利用のみも大歓迎です。

姫野 ベツダイでは、初めての試みとして2023年10月7日(土)に、HOGO HUGさんと保護猫譲渡会「HOGO HUG DAY」を開催することになりました。保護猫を迎えたいと考えている方も、そうでない方にもぜひ会場に足を運んでもらい、保護猫活動について知ってもらいたいです。

池永さん 私はホゴハグステッカーや猫モチーフのポストカードの販売をする予定です。収益は保護猫団体へ寄付させていただこうと考えています。

玉正さん 多くの人に足を運んでもらうことで、保護猫や譲渡会へのイメージは変わっていくのではないでしょうか。

姫野 これからもベツダイのノウハウやネットワークを生かして、「HOGO HUG」を盛り上げていきます。個人の活動よりも、企業全体で応援する方が周囲と連携して支援しやすいのは事実です。「HOGO HUG」がより大きなムーブメントになれば、活動への協賛の輪を広がっていくと思います。

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【第1回 HOGO HUG DAY】
日時:10月7日土曜日13:00〜15:30
場所:BETSUDAI 本社(大分市向原東2-2-30)
ベツダイ本社で初めて開催される保護猫譲渡会。当日は、15匹の保護猫が参加予定(体調によって変更になる可能性あり)。会場では猫をモチーフにしたステッカーやポストカードの販売もある。
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